◆担当講師:長田怜
◆内容:分析哲学のかつての「正統派」論理実証主義を広めた著作(初版は1936年)を読みます。「あらゆる意味で青年の書物であったから、大概の哲学者が示すのをはばかられるような情熱でもって書かれた」(本人)という本書は、哲学のほとんどをナンセンスと断定するほどの「尖った」立場を喧伝しています。その「尖り」ゆえに多くの批判を浴びた本でありながらも、メタ哲学(哲学とは何か)、形而上学、言語哲学、認識論、他者の存在論、倫理の情動主義など、さまざまな点において再考に値する議論を展開しています。平易な表現で書かれてはいるものの、慣れていないと論点を追いにくい本でもあるため、内容の理解を第一目標にしつつ、その歴史的文脈と現代的意義も解説する予定です。
分析哲学の文献は論証や分析を淡々と提示するようなスタイルで書かれることが多いせいか、「古典」といえども味わい深い文章や打たれるような文章は稀で、エイヤーのこの本も悪く言えば「無味乾燥」なのですが(「情熱をもって書かれた」くせに)、そういう文章にも哲学的な苛烈さは宿るのだ、ということを体感してもらいたいです。
2回で1章を読む予定です。今期(7~9月期)は4章から読みます。
◆対象者:初心者歓迎
◆ジャンル:分析哲学
◆使用テキスト:A.J.エイヤー『言語・真理・論理』ちくま学芸文庫、※各自購入
※本講座は月1回の開催を予定しています。
※欠席時のアーカイブ視聴あり