【特別講義】 T. 罪悪感、挫折感、孤独感という感情はなにを示すか?

¥2,500

商品コード: t-0706 カテゴリー: タグ: , , , ,

◆担当講師:福田肇

◆実施日:7/26(土)20時〜21時40分

◆内容:ハイデガーーによって「フランスにおける『純粋理性批判』の最も有能な読み手」と絶賛、エマニュエル・レヴィナスによって引用され、ポール・リクールによって師と崇められながらも、サルトルとメルロー=ポンティの同時代にあって、そのあまりの難解さ、そして地味な経歴(アグレガシオンを取得したものの、結局アンリ4世校というリセの哲学教師で生涯を終えた)のせいで、無名のまま終わった哲学者、ジャン・ナベール。ナベールは、カントの「実践理性批判」を実存論的に読み替え、ユニークな倫理学を構築します。私たちがふだん経験する罪悪感、挫折感、孤独感は、この世界で、私 の存在がすりへっていくこと(「存在の減衰」)のそれぞれの表現であり、またそれは、〈私の私自身に対する不等性〉(つまり、「ずれ」)の指標でもあります。
私は、この世界で活動しているかぎり、原理的に私に(いたらない〉のであり、この〈いたらなさ〉を埋めたいという希求こそが、〈存在の欲望〉にほかなりません。
カント倫理学のなかにナベールが発見したこの欲望を、ナベールは、「純粋性向」とも呼んでいますが、それを、20年後に、かのジャック・ラカンは再びカントの中に見出すことになります。
本特別講義で、私は、みなさんとともに、『倫理のための諸要諦』(Eléments pour une éthique, 1943)という未邦訳のナベールの主著を中心に、二十世紀フランス実存哲学の「空席」を探っていきたいと思います。きわめて平易なことばでご説明いたすよう務めるつもりです。ぜひご視聴ください。(福田)

※欠席時のアーカイブ視聴あり

※塾外の方は、入塾料無料でご参加いただけます。直接このチケットをご購入いただいて構いません。

上部へスクロール